DC-DC converter用のinductor選び

素人の電子工作で、携帯可能なおもちゃを作ろうとした場合、真っ先に問題と なるのは電源だろう。なんとかして電池から3.3Vや5Vといった電圧を取り出さ なければならない。
最近はTL499やNJM2360、LM3578といったDC-DC converter用のICが手に入るの で、これらのICを使って電池から電源電圧へ昇圧する回路を組むことがでる。

次の課題として、DC-DC converterの部品探しをすることになる。ICに関して は、datasheetを読めばある程度の特性はわかる。ところが、inductorについ ては、秋葉原の店頭で探そうとすると、inductanceが表示されているだけで他 の特性がわからないものを買ってきて試すしかない。ちゃんとdatasheetのつ いているinductorを手に入れればよいのだが、さてどうしたものか。

磁気飽和について

磁気飽和とは、要するに磁性体中の磁化方向が全て揃ってしまい、それ以上内 部磁化が大きくならない状態のこと。この領域では、電流の作る磁場に対して 内部磁化が変化しなくなるため、磁性体としての働きをしなくなる。 (μ->μ0となる)
solenoidであれば、電流を流しすぎた場合に芯材の磁性体が磁気飽和し、 inductance Lが小さくなる現象として表れる。

無限長solenoidの場合、内部の磁場は、

H = nI

と書ける。そのため、断面積等にはよらず、単位長あたりの巻数n が多いほど磁気飽和に対しては不利になる。

inductance

無限長solenoidのinductanceは、

L = μn2Sl

のように書ける。
磁気飽和から、巻線数密度nの上限が決まるため、 S,lの大きな(すなわち体積が大きい)ものを選ばざる を得ない(はず)。

まとめ

フェライトの飽和磁化と流したい電流Iから、巻線数n の目安をつけることができるはず。

めんどくさければ、それなりに大きなinductorを買ってこいという結論?


ご意見、ご感想は、花房 真広 <webmaster@hanabusa.net>まで。メールする前にtop pageの注意書を読んでください。